川越の町並み整備

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川越一番街:まちをつくるのは誰か

 ここには2枚の川越一番街の現実の街並み写真と、フォトモンタージュによる景観シミュレーション写真がある。現実の写真は1989年当時の一番街の街並み(図1)と1994年の現状(図2)である。景観シミュレーションは実験的な試みとして1989年に商店主や行政の集まるまちづくりの会に提示されたもので、電柱の除去、通り沿いの街並み修景、街路のペーブ整備など段階的に変わる街並み景観の姿が表現されていた。(図3、図4)

 その後行政側は電柱地中化と街路整備を行い、商店主は建物外観を伝統的様式に復元修復する事業を行った。それぞれ事業は個別に行われており、全体的な地区の街並み整備計画は存在していなかったし、景観シミュレーションで示された「絵」は任意の提案にしかすぎなかった。しかし結果としては行政側と民間側で、シミュレーションに基づく共有のイメージによる景観整備が一体的に達成されることになった。景観シミュレーションを通して、街並み形成を行う各主体に共有イメージとしての目標像と役割関係が植えつけられたからだといえよう。

 現在川越市はこのフォトモンタージュによる景観シミュレーション・ツールを役所内に導入し、ビジュアルな景観イメージに基づく街並み形成、誘導に取り組んでいる。

図1 図2 図3
図4